PDUの選び方|基本のチェックポイント

データセンターやサーバールームでラックPDUを導入する際、PDUの選び方は非常に重要です。
ラック内の機器に適切に電源を供給できなければ、運用トラブルや電力不足につながることがあります。
この記事では、初めてPDUを選定する方向けに、ラックPDUの電気仕様・機能・設置環境・信頼性など、押さえておきたい基本ポイントをわかりやすく解説します。
1. 電気的な仕様で選ぶ
ラックPDUを選ぶ際は、接続する機器の仕様に合わせることが大前提です。
- 電圧・相数:単相100V / 単相200V / 三相200Vなど
- 定格電流:15A / 20A / 30Aなど
- 電力量(消費電力):接続予定の合計消費電力を把握し、PDUの定格容量に余裕を持たせる
- プラグ形状(入力):NEMA 5-15P / NEMA L5-20P / NEMA L5-30Pなど
- コンセント形状(出力):IEC C13 / IEC C19 / NEMA 5-15Rなど
参考コラム:PDUの入力・出力コネクタの規格と互換性
2. 機能で選ぶ:ベーシックPDUとインテリジェントPDU
- ベーシックPDU
・電源を分配することに特化したシンプルなタイプ
・コストや品質重視のデータセンター運用に適している
・目視で電流値を確認できるメーター付きタイプも存在する - インテリジェントPDU(スマートPDU)
・ネットワーク経由で電源ON/OFF、電力監視などが可能
・遠隔管理や効率的な運用に有効
・電力消費状況を可視化できるため、データセンターのエネルギー管理にも貢献
3. 設置環境で選ぶ
PDUには設置方法に応じて、ラック内のスペース効率やケーブル取り回しに影響します。
- 0Uタイプ / Vertical PDU
・垂直方向に取り付けるタイプ
・アウトレット数が比較的多い
・取付位置は一般的にラック後方側面
・ラックのユニットスペースを消費しないメリット - 1Uタイプ / Horizontal PDU
・ラック内のマウントアングルに取り付け、1Uのスペースを使用します
・使用するユニットスペース分、他の機器の設置可能量に影響する
4. 信頼性・品質で選ぶ
- 安全規格準拠:PSE / UL / CE など
- メーカー実績やサポート体制:メーカーの実績は確かか、トラブル時の対応が迅速か、対応内容はどうか、など
- 国内製・海外製:品質・コスト・デリバリー重視は国内製、機能重視なら海外製
※参考コラム:PDUは国内製と海外製どちらを選ぶべき?それぞれのメリットデメリットをご紹介
市場トレンド
- GPUサーバー増加:高負荷機器向けに三相PDUの導入が拡大傾向
- エネルギーコスト上昇:目視メーター付きやインテリジェントPDUのニーズ増加
- グローバル化:海外データセンターでは遠隔監視が標準化、日本でも同様の要求が増加傾向
まとめ:ラックPDUの選び方チェックリスト
- 電気仕様:定格電圧 / 定格電流 / 消費電力 / プラグ形状 / コンセント形状
- 機能:ベーシック / 目視メーター付き / インテリジェント
- 設置環境:設置位置・形状・ラックスペース
- 信頼性:メーカー実績・サポート・規格対応
まずは「どの機器を接続するか」「ラック内スペースはどうか」を整理し、自社に合ったラックPDUを選ぶことが、安定したデータセンター運用につながります。
最後に
ラックPDUは、データセンターの電源管理の要となる重要な機器です。
適切な選定と運用により、機器の安定稼働やエネルギー効率の向上、さらには運用コストの削減にも寄与します。
今回ご紹介したポイントを参考に、ぜひ自社に最適なラックPDUの導入をご検討ください。
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