インテリジェントPDUとは?基本機能や導入メリットを解説

近年のデータセンターやサーバールームでは、PDU(Power Distribution Unit)の高度化が進んでいます。その代表例が「インテリジェントPDU(Intelligent PDU)」です。
本記事では、インテリジェントPDUの基本機能や導入メリットを、専門知識がない方にもわかりやすく解説します。
インテリジェントPDUとは?
PDU(Power Distribution Unit)は、サーバーラック内の機器へ電力を供給するための装置です。
Basic PDUはシンプルな電源供給機能に特化していますが、インテリジェントPDUはネットワーク経由で監視や制御ができる点が大きな特徴です。
LAN接続やブラウザ経由で電力使用状況を確認できるため、運用管理がしやすくなるのが特徴です。
- Basic PDU: 電源供給のみ
- インテリジェントPDU: 電流・電圧の監視、遠隔操作、環境センサー連携などが可能。
インテリジェントPDUの主な機能
インテリジェントPDUの基本機能について解説します。
インテリジェントPDUは、電源分配だけでなく、以下のような機能を備えるモデルが存在します。
機能の違いによって、一般的に「メータードPDU(Metered PDU)」「スイッチドPDU(Switched PDU)」と呼ばれています。
・電力監視機能(メータードPDU:Metered PDU)
PDU単位、またはコンセント単位で電流や電力を計測できます。
ラックごとの負荷状況をリアルタイムで把握でき、容量超過を防ぐ目安として活用されます。
・遠隔制御機能(スイッチドPDU:Switched PDU)
一部のモデルでは、コンセントごとに電源オン/オフの切り替えが可能です。
サーバーやネットワーク機器が応答しない際に、現場へ行かずにリモートで再起動できる場合があります。
・アラート機能
設定した閾値を超えると、メールやSNMPトラップなどで通知を送信します。
電源異常や負荷の偏りを早期に検知し、トラブル回避につなげられます。
・ログ取得機能
長期的な電力使用データを記録し、使用傾向の分析や容量計画に役立てられます。
インテリジェントPDUの導入によるメリット
インテリジェントPDUは、電源分配だけでなく、運用管理を効率化する機能を備えています。
これらの機能を活用することで、ラック環境の把握やトラブル対応がスムーズになり、設備運用の負担を軽減できます。
・電源負荷の見える化(電力監視機能)
ブラウザや専用ツールを使って、PDUごとの電力使用状況をリアルタイムに確認できます。
どのラックに余裕があるか、どこが逼迫しているかをひと目で判断できるため、設置計画や負荷分散の検討が容易になります。
・運用対応の効率化(遠隔操作機能)
サーバーやネットワーク機器が応答しない場合でも、現場に行かずに電源操作ができるモデルがあります。
緊急時の復旧対応を迅速に行えますが、サーバーなどの重要機器に対して強制的な電源操作を行う場合は、データ破損などのリスクに注意が必要です。
・容量計画の精度向上
消費電力を把握できるため、新しい機器の増設や移設の際に、ブレーカー容量を超過しないよう確実に確認でき、設備の計画性が高まります。
・障害予兆の把握
異常な電流変動や負荷の偏りを検知できれば、機器の不調や電源トラブルの兆候を早期に察知できます。
障害が起きる前に対応できる可能性が高まり、安定したシステム運用につながります。
BasicPDUとの違い
Basic PDUは電源供給のみのシンプルな装置であり、監視や制御機能はありません。
一方、インテリジェントPDUは電力使用状況の把握や遠隔制御が可能で、ラック単位やコンセント単位での詳細な管理が行えます。
そのため、ラックに設置する機器の増設や移設を行う際、容量超過のリスクを把握したり、運用上の負荷分散を検討したりする際に役立ちます。
ただし、すべての現場でこれらの機能が必要なわけではなく、シンプルな電源供給で十分な場合はBasic PDUで問題ありません。 用途や運用環境に応じて、どちらのタイプを選ぶか判断することが重要です。
市場動向
近年、ラックごとの電力使用状況を正確に把握したいというニーズから、インテリジェントPDUを導入するケースが見られます。
サーバー増設や機器入れ替えの際にブレーカー容量を超えないよう確認したり、遠隔で電源状態を監視したりといった、運用上の利便性が主な理由です。
一方で、電源の供給だけで十分な環境も多く、Basic PDUとインテリジェントPDUを状況に応じて使い分けることが重要です。
まとめ
インテリジェントPDUは、電源監視や遠隔制御の機能を備え、運用効率化や容量計画の精度向上に役立ちます。
ただし、すべての環境で必須というわけではなく、コストや運用ルールを考慮したうえで選定することが大切です。
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